本物の美との出会い — 感動に包まれた塩島敏彦先生お話し会のご報告

2025/09/26

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唯一無二の輝きをその手に

幻の宝飾技術を継承する塩島敏彦先生の世界
 

先日、ジュエリーカワニシでは象嵌作家・塩島敏彦先生をお招きし、特別なお話し会を開催いたしました。まるで魔法のような超絶技巧の数々と、その背景にある情熱、そして今や手に入らなくなった貴重な天然素材の現状について伺う、大変贅沢なひとときとなりました。
ご参加いただいた皆様はもちろん、残念ながらお越しになれなかった方々にも、その感動の一端をお届けしたく、当日の様子を一部レポートいたします。

失われた美の復活

アンティークを超えた「ピクウェ」の輝き

お話し会の中心となったのは、塩島先生が150年以上の時を経て現代に蘇らせた幻の技法「ピクウェ」です。

象牙やべっ甲、真珠といった有機素材に、金やプラチナを寸分の狂いもなく埋め込むこの象嵌技術。接着剤を一切使わず、金属そのものを内側で広げて留めるという、想像を絶する精密な手仕事によって生み出されます。

「普通の人は割れちゃう。それを割れないようにするのがこの技術」と先生は語ります。

来場されたお客様が作品を手に取ると、「わあ、段差がない、すべすべ!」「切れ目がないんですものね」と驚きの声が上がりました。

ルーペで覗き込むと、どこに金属が入っているのか境目がわからないほど滑らかで、まるで素材そのものが光を放っているかのようです。

「何もしないパールより綺麗だったらやってもいいでしょう?」という言葉通り、

パールの柔らかな光沢に埋め込まれたピクエの輝きには、「すごい!」「本当に綺麗」という感嘆の声が絶えませんでした。

ピクウェ パール shijima item blog9.jpg

もう二度と手に入らないかもしれない、貴重な天然素材の物語


お話し会では、宝飾業界が直面する天然素材の枯渇問題についても、厳しい現状が語られました。

珊瑚、べっ甲、天然真珠貝、象牙は採取や輸入が禁止されたり、許可されているものでも厳しい制限が設けられています。

国内在庫は予想を遥かに超える速さで枯渇しており、さらに高品質なものは希少性がより高まっています。

「天然素材は本当に厳しい状況」という先生の言葉は、今、私たちが手にすることのできる作品がいかに奇跡的な存在であるかを物語っています。

                                   
                              

ピクウェ セミ shijima item blog1.jpg裏側にまでセミの姿を映す、徹底した作り込みのべっ甲のブローチ


「人を飾る」ということ

ジュエリーに込められた哲学


「宝飾品は人を飾るもの。カジュアルだろうがフォーマルだろうが、どの服を着てもその人を飾れなきゃダメなんです」

塩島先生のジュエリー哲学は、流行を追うアクセサリーとは一線を画します。

「人間の美意識は20万年前から変わっていない」という信念のもと、普遍的な美しさを追求し、身につける人を主役として輝かせることを第一に考えてデザインされています。

だからこそ、先生の作品はどんな装いにも不思議と馴染み、その人自身の魅力を最大限に引き出してくれるのです。

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「出会い」を求めて。ぜひ実物をご覧ください
 

「先生の作品は、お金があっても出会いがなければ買えない」。

これは、あるお客様が先生に贈った最高の賛辞です。

一つひとつに膨大な時間と情熱を注ぎ、決して量産されることのない作品だからこそ、その出会いは一期一会です。

写真だけでは伝えきれない、その圧倒的な存在感と繊細な輝きに、皆様うっとりとされていました。

ジュエリーカワニシでは9月末まで展示会の一部を国立の店頭にてご覧いただけます。

ぜひ一度、実物をお手に取ってご覧ください。塩島先生の作品世界に触れることで、皆様にとって忘れられない「出会い」が訪れることを心より願っております。

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イヤリングがゆれるパート・ド・ヴェールのブローチ

お客様からの感動の声
 

• 「ルーペで拝見したのですが、どこに金属が入っているのか境目が全く見えなくて…。本当に切れ目がないんですものね、信じられません」

• 「(ピクウェが施されたパールを触りながら)怖いんだけど…本当にどこに入っているかわからない。ただただ、すごいです」

• 「(ミニアチュールを見て)この細かさは信じられません。ただただ、尊敬し申し上げます」

• 「すごく上品で、素敵ですね。派手ではないのに、確かな存在感があって惹きつけられます」

• 「可愛い!でも、ただ可愛いだけじゃない。アンティークのような気品があって、ずっと見ていられます」

• 「身につける芸術品ですね。先生のおっしゃる通り、これならどんなお洋服にも合いそうです」

• 「べっ甲も珊瑚も、そんなに貴重になっているとは知りませんでした。最近見ないなと思っていましたが、これほどのものだったのですね」

• 「5年も待たれたお客様がいらっしゃると伺って、驚きました。でも、それだけの価値がある作品だと実感します。まさに『出会い』がなければ手にできない宝物ですね」

• 「お話を聞いてから作品を拝見すると、輝きが全く違って見えます。この小さな作品に込められた物語の深さに、ただただため息が出るばかりです」

ミニアチュール リング shijima item blog8.jpg

 

 

ご参加いただいた皆様へ、心より感謝を込めて

改めまして、この度のお話し会にご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。
今回ブログでご紹介できたのは、塩島先生から伺った数々のお話のほんの一端に過ぎません。
例えば…
• 大学で農学を学ばれていた先生が、アメリカの広大なオレンジ畑で“天の啓示”を受け、宝飾の世界へ入ることを決意された運命的なエピソード。
• 制作に詰まって落ち込んだときのメンタルケアの方法。
• そして、来場されたお客様がお持ちになったジュエリーにまつわる思い出話に、先生が優しく耳を傾けられる心温まる場面。
…など、ここには書ききれないほど、楽しく、そして示唆に富んだ貴重なお話が次から次へと飛び出しました。


先生の作品が唯一無二であるように、先生を囲んでお話を伺う時間もまた、一期一会の特別な体験です。

今回ご参加が叶わなかった皆様も、ぜひ次回の機会を楽しみにお待ちください。
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ジュエリーカワニシでは、これからも皆様の知的好奇心を満たし、心豊かになるような素晴らしい「出会い」の場をご提供してまいります。
また皆様とお会いできる日を、スタッフ一同、心より楽しみにしております。

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ジュエリーデザイナー 塩島敏彦

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